向日葵

「あなた、ひまわりみたいよね。　よく言われない？」









言われませんよ
言われませんけどね、


矢沢あいの漫画じゃないけど
額にいれて胸のなかに飾っておきたいと思った


そんな 大切な一言をいわれた日


これを言った人は　三十路すぎ　ずばっと厳しくものを言う常連客で
バイトの男の子目当てだ　と店でも噂されるよな態度の女性

わたしが初めて会ったとき
なんで女のバイトがいるわけ？と言わんばかりの視線
彼女はあきらかに不機嫌な様子で　わたしの入れたコーヒーにほんの一口
あかいくちびるをつけただけで帰っていった

今でも記憶にちいさくのこる　傷
ただただ　ショックだった


そんな彼女と今日　生花のはなしをしているとき
ふいにこう、言われたのです




泣くかと思った

普段のこにしあやかを知っているひとなら　わかるとおもうのだけど
わたし別に　ひまわりっぽくもなんともないんですよ
そんくらい自分でわかります

だからそれは・きっと
私生活とバイトでの顔が違うということ
バイトじゃそりゃ ネガティブにもならんわな

でも　それでも

彼女にそう言ってもらえた　ということが
本当に本当にうれしくて

そのあと瓶で指をざくりとやったわたしに
「ばかねぇほんと」と言いながら自ら巻いてくれた二枚の絆創膏が
もう信じられないほどやさしくて

これだから　人とふれあう仕事はやめられない



ＧＷ四日とも仕事なんですよー　って言ったら
じゃあ四日とも行ってやるからがんばれよ　って
ほんとに今んとこ二日連続来てくれてるひとが何人かいたり
そのひとたちとさっきも　また明日！って言ってわかれたり

わたしは　ひまわり　でもなんでもないけど
けどせめて彼らののぞむ時間を演出できるように
どんな努力だってしよう と思えた



しあわせです